無免許医と聞いて連想されるのは手塚治虫の『ブラック・ジャック』だが、中国では現実世界で無免許医による手術が横行している。

「網易新聞」(1月5日付)によると、中国西安市の警察当局は、市内のビジネスホテルの一室で無免許で整形手術を行っていた女を逮捕した。タレコミをもとに内偵捜査を続けていた当局が客室に踏み込んだ際、まさに二重まぶたの整形手術が行われている最中だったという。

客室には女とアシスタントの女、そして手術を受けている女性のほか、複数の女性が手術の順番待ちをしていたという。無免許医の女の荷物からは、麻酔薬やヒアルロン酸などの薬品、さらに注射器、メス、手術用ハサミなどの手術用器具も大量に発見された。

当局の聴取に対し、女は「西安には観光で訪れただけで、違法な美容整形などは行っていない」と真っ向から容疑を否定したものの、手術着に身を包んだ女を見れば、その供述がウソであることは明らかだ。当局は女の携帯電話の記録から、これまでにも少なくとも6回にわたり、違法な整形手術を行っていたとみている。室内にいた顧客の女性たちは、二重手術のほか、ヒアルロン酸やPRP(多血小板血漿)注射など最新の美容医療を受けていたことを証言。女はその場で身柄を拘束され、現在詳しい取り調べが行われている。

ただ、「この一件はあくまで氷山の一角」と話すのは、中国事情に詳しいフリーライターの吉井透氏だ。

「文革期から改革開放の前期くらいまでは、『赤脚医生(はだしの医者)』と呼ばれる独学で医療知識を身につけた無資格医が黙認され、医療機関のない農村部では重宝されていた。そんな背景もあって、中国人は無資格医に対する抵抗が比較的低い。美容整形だけでなく、眼科や歯科などにも現役の無資格医が存在している。中国で現在でも医師不足が続いていることも要因のひとつ。日本では人口10万人当たりの医師の数は250人程度といわれているが、中国では100人程度。一説によれば、中国で医師と名乗って活動している者のうち、約1割が無資格だともいわれている」(同)

一方、日本国内でも、外国人による無資格での医療行為が問題となっている。在日中国人の利用している中国版LINE「微信」(WeChat)上では、美容整形に関する広告が大量に投稿されており、その中には「都内マンション ヒアルロン酸注射1.5万円 脂肪溶解注射2万円 二重整形も可能」など、目を疑うものが多く存在している。昨年10月、愛知県警は医師免許がないにもかかわらず、日本で違法に整形手術を行っていた3人のベトナム人を逮捕したが、彼らもマンションの一室などで整形手術を行っていたとみられる。

中国やベトナムなどの在日外国人コミュニティには、こうした無資格医が大量に入り込んでいる可能性もある。日本人が利用することはまれだろうが、重大事故にもつながりかねないだけに、なんらかの対策が求められる。

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